「空の境界」上巻下巻完読。
あーーーーーー、駄目だ。最近涙もろい…。マジで泣きそうになった。
どうも自分は「儚さ」ってやつが大好きみたいです。世界の中心で愛を叫ぶしかり、キノの旅しかり…いや、儚く無い部分もあるよ、キノは。
だからさぁ、もうそういう言い回しは反則だって…。最後どうなったんだろう…。まぁ日本人的な解釈で行くとやっぱりああなるんだよなぁ…。
あああああ、悲しい。さわやかな寂しさが全身を駆け巡ります。
素敵な本に出合えました。ヒマスターさんに感謝。
どこにどう感動したのかは以下ネタバレにつき分けます。
上巻は、単純に伝奇小説としての面白さ。
…まぁ最近の言い方で言うと能力ものなんていうちゃっちぃ表現になりますが、アレとは全く違う「伝奇小説」。
浜たかやさんの小説が好きで、伝奇ものは良く読むほうなんですが、舞台が現代というのは初めてでした。
月姫、メルブラである遠野志貴が持つ直死の魔眼。それが空の境界のヒロインの両儀式の能力です。
前半部分は4年前についての概略的な説明を含むパートが主で、そこから魔術師・荒耶宋蓮との対決前半部分で幕を閉じます。
…まぁ、他にもフジョウさんとかアサガミさんとかと戦いますが、そこは単純に序章として読み流しましたが、それでも十分面白い。
つーか、この式が二重人格だったってのがとても良いです。
式と織。相反する、同一の人格。それを統括する「両儀式」たる存在がいるということは、結局最後の最後まで語られなかったわけですが…。
…3重人格ではないですね。2重人格です、やっぱり。
もう最後のね、リオとの戦いが…もう、泣ける泣ける。リオが完全に噛ませ犬で…感動を誘うためだけにとは言い方があれですが、もうこうやって殺されるためだけに存在しているかのような美しさ…。
…アレです。完全に仕組まれた物語というものはこうも美しいものなのかと。設定を荒く作っておいてそこで主人公達を動かす私の書き方とは明らかに違う…。設定の大切さというもの、ストーリーの筋道を最初に確実に決めておくことの大切さを教えられました。
…まぁ、問題なのは俺がこういう書き方に耐えられるほどの文章構成能力が無いということなんですけどね。挑戦はしてみたいと思います。
結局、一番最後「両儀式」がどうなったのかは誰も知らないのですが…
…つーか奈須さんも決めて無いんじゃないかな…?
個人的には、何もなかったかのように日常がまた繰り返されていくほうをグッドエンディングとすると、「両儀式」たる存在が完全に消えてしまうほうをトゥルーエンディングとするべきなのかなぁと…。
…というか、こんな妄想をさせられている時点で私はすでに奈須さんの文章の虜になっているというわけで…。
いやー、久しぶりに、はまったなぁ!と思えるものに出会えました。もう一度ヒマスターさんに感謝。
あと月姫貸してくれたオートマローダーさんにも感謝。
…あぁ、しばらく脳内にこのさわやかさが残っていると思うと良いような悪いような…。でも、創作意欲は掻き立てられまくりました。小説でも書こうかと思います。
んでは小説5回目でした!
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